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NTT DATA

ロブ ラスムッセン 様
株式会社NTTデータグループ
執行役員、グローバルマーケティング&
コミュニケーション本部長

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

この2年間はNTTデータにとってエキサイティングな時期でした。 特に重要なのは、NTTリミテッドのNTTデータへの統合の発表から始まった事業統合です。 これは、グローバルのITサービスをすべてNTTデータに統合するというNTTグループ全体の大目標を実現する第一歩です。 この統合により、当社は年間310億ドルの収益を上げ、50カ国以上で約20万社のプロフェッショナル・サービス・クライアントを持ち、多様なサービス・ポートフォリオを提供することとなりました。 最新のBrand Finance社レポート(2024年1月)では、NTTデータは世界で6番目に価値のあるブランドとして位置づけられています。 これは私たちにとって非常にエキサイティングなことです。 
ビジネス面では、いくつかの市場において期待したほどの成長は達成できなかったものの、利益の改善に注力した結果、当初の目標は達成することができました。 
ブランディングにおいては2つの中期的なブランド・キャンペーンを開始しました。 日本以外のグローバル市場では、引き続きブランド価値の向上に重点を置いていきます。グローバルのキャンペーンメッセージは”Ignite tomorrow, today”です。「明日」につながる競争力を更に高めるために、クライアントとともに「今日」行動することの大切さをコミュニケーションの中心として伝えております。 
日本市場では、単にブランド価値を高めるだけでなく、システムインテグレータのイメージから脱却し、コンサルティングやトランスフォーメーションなども手掛ける総合的なITサービスの業界リーダーへと進化した当社の認知を高めていくことを目標としています。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

NTTリミテッドとの統合ではAPAC地域が最も大きな影響があり、当社の事業機会もグローバル規模で著しく拡大しました。NTTリミテッドのNTTデータへの統合をより大きなスケールで進行することは、当社のブランドにとっても課題と機会の両方をもたらしております。 
スムーズに統合を推進するためには、綿密な計画をたて戦略的に実行すること、市場や社員の両方に理解されることが最も重要です。リーダーシップとオペレーション双方の歩調を合わせ、当社は更なるグローバルな事業フットプリントを拡大し、また、自社のケーパビリティも強化してまいります。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

世界的な紛争や政治的緊張など予期せぬ社会的・地政学的な課題はあるものの、当社の事業はレジリエントです。特定の市場ではIT支出が伸び悩みしているものの、当社の中核事業には直接的な影響はありません。 
いくつかの市場における成長率は鈍化すると見込んでいるものの、当社は、2022年での実績、また2023年の予測としてもITサービス分野市場では継続的な成長を見込んでおり、新たな機会を捉えるために戦略的なポジショニングをとっています。  
例えば、私たちは、あらゆるステークホルダーに対するフォーカスグループセッションを実施するなど、今まで以上にコミュニケーション活動を強化しております。日本では、「Moving forward in harmony」キャンペーンを展開し、社会から技術に至るまであらゆる側面における「Harmony/調和」の大切さをうたっております。 
社会との調和はいつの時代にも寄り添うものであり、経済不況下においてもこのきめ細やかなブランドメッセージである「Moving forward in harmony」がポジティブに受け入れられており、当社の社会や環境へのコミットメントを訴求できております。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

ワークライフバランスと柔軟な働き方への期待の高まりは、社員のワークスタイルや考え方に大きな影響を与えています。特に若い層では、より柔軟な働き方が求められています。 
このような変化をとらえ、経営層では、業務効率を損なうことない柔軟な勤務形態を推進することでワークライフバランスへ適応してきました。社員エンゲージメントを維持し、職場のダイナミクスが変化する中で創造性を育む上で世の中の変化に柔軟に対応していくことはとても重要なことだと考えております。 
具体的には、社員同士のコミュニケーションにテクノロジーを用いたり、多様な働き方をする多様な社員に合わせた現代的なマネジメント手法に進化させたりすることで、当社は新時代のリーダーとして課題や成長の両方を意識して経営を推進してまいります。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

経営陣の交代、国際的な収益の拡大、いくつかの買収の統合など、NTTデータにおける大きな変革に伴い、当社のミッション、ビジョン、バリュー(MVV)を熟慮して検討する必要性を認識しています。 
しかしこれは妥当性を問うものではなく、進化した当社のアイデンティティと、現在当社が事業を展開している多様でグローバルな状況を正確に表していることを確認するためです。世界中の当社経営陣から意見を募り、私たちのMVVが現在と将来の方向性をどのように最もよく反映できるか共同して探っていきたいと思っております。 
当社が掲げるビジネスが変化に富み、多様な企業文化の上に成り立っていることに当社の指針を合わせるということです。これにより、当社のMVVが、すべてステークホルダーと共鳴し、これからの当社の更なる発展において、適切かつ誠実さをもって私たちの会社を導く助けになると考えています。