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Fujifilm

堀切 和久 様
富士フイルムホールディングス株式会社
執行役員 デザイン戦略室長
ブランドマネジメント管掌

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

富士フイルムは今年で創立90周年。次に来る100周年を見据え「90から100〜 その先の未来へ」というメッセージと共に、今回新たにパーパスを作りました。それが「地球上の笑顔の回数を増やしていく。 (Giving our world more smiles )」 です。写真事業を生業にしてきた弊社は、その写真を通して人々の「笑顔」 と共に生きてきました。2000年にその創業が喪失し、ヘルスケア・マテリアルズ・ビジネスイノベーション・イメージングの4つの分野に生まれ変わった今でも、大切な提供価値は「笑顔」です。私たちが今まで大切にしてきたこと、そしてこれからも大切にしたいこと、その思いを富士フイルムらしい言葉で表しました。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

社内のエンゲージメントを高めるパーパスでありたい。だから「笑顔」という言葉に込められた意味や思いに対する従業員の共感と納得が大切だと思っています。そのために、「コンセプトムービー」 や「パーパスマガジン」を制作しました。特にマガジン創刊号には、さまざまなコンテンツ以外に、完成までの経緯を綴った漫画『君たちはどう生きるか』の羽賀翔一さんの描き下ろしも誌面を楽しく飾っています。また、従業員一人ひとりにこのパーパスのエバンジェリストとなってもらうために、「片面すべてが笑顔の写真」というユニークな名刺に刷新し、これを全員に配布します。 こんな仕掛けも富士フイルムらしいと思います。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

国内外のM&Aや事業拠点を拡大する中で、以前に増して富士フイルムとは何者なのかを語る必要が出てきました。それぞれの会社にはそれぞれに大切にしてきた歴史や想いがある。だから富士フイルムの考え方を押し付けるのではなく、尊敬と共感を持って対話をしています。パーパス策定にあたってもグローバルの拠点のメンバーと「これからの富士フイルムが大切にしていきたいこと」について愚直に対話を重ねてきました。そうやってみんなで作り上げた言葉には、人はもちろん、社会や地球環境をも、何度も何度も「笑顔」にするという富士フイルムグループらしい誠実な想いが込められています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

パーパスをつくる過程で従業員から最も 多く出てきた言葉が「笑顔(スマイル)」でした。
これまでブランドのパーソナリティを整理し、ガイドラインを作り、ブランドとして大切なものを掘り下げたことで、みんなが自然に富士フイルムの存在意義とは何か、社会に提供できる価値とは何かを考えるようになってきたと感じます。 今後、働き方や意識が変わっても、従業員に富士フイルムブランド を愛してもらえるように取り組んでいきます。その観点からもパーパスの共感と実践が大切だと考えます。

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

「富士フイルムの提供価値」を従業員が共有し、社会へのメッセージとするために、今回グループパーパスを作りました。これまでの企業理念とビジョンを見直し、 シンプルで誰もが わかりやすいメッセージに一本化しました。 またこの理念体系には「わたしたちはアスピレーション(志)を持って、グループパーパスの実現を目指します。」という言葉が添えられています。従業員一人ひとりがパーパスを自分の課題として志を持って実践していくことを促しています。今後もワクワクするような社内浸透施策を予定しています。
地球や人の「笑顔」の回数を増やしていくために、1人ひとりの従業員が「笑顔」を持って取り組んでいく。富士フイルムらしいパーパス実装の第一歩だと思います。