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CAINZ

高家 正行 様
株式会社カインズ
代表取締役社長 CEO

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

昨年は、CAINZのブランドづくりにおける大きなエポックがあった年でした。8つのプロダクトブランドの始動がそれです。 
CAINZは、ここ5年ほど新しい事業価値の創造に取り組んできました。デジタルを導入し顧客との接点から店舗の作業までを新たにつくり、社員の働き方まで変えてきました。そして、その最終地点はやはり店舗とそこに並ぶ商品です。 
昨年発表した8つのプロダクトブランドとそこから生まれる商品群は、ブランド実現に向けた大きな一歩になったと考えています。 
新しいブランドを実現するためのもう1つのチャレンジは、次世代型店舗の創造。従来の店舗イメージにとらわれずスクラッチから発想したものを社会や顧客に示すことで、ブランドの新たな進化をさらに前進させていきます。

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

ブランドは、推進チームだけでなく、店舗、商品、オペレーションまで含め、あらゆる顧客接点で体現することでつくられていきます。ブランド構築にあたっては、組織や領域を変えるのではなく、部門間の連携を重視してきました。CAINZには12の本部がありますが、こうした組織・社員に横串を刺していくこと、事業全体を束ねていくことが経営の使命であり、ブランド推進チームの役割だと考えています。

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

CAINZは、ブランドコンセプトの「くらしDIY」の対象として、「私のくらし」や「家族のくらし」、「地域のくらし」に加え、意図的に「未来のくらし」を挙げています。言い換えれば、わたしたちが実現しようとしているブランドは、今のお客様や社会のみならず、変化する未来を見据えたものなのです。 
想定を越える社会や人々の変化があるのは事実ですが、そこで揺れるのではなく、むしろブランドコンセプトに自信を持って、ブラさずにやっていくべきだと考えています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社員の意識は、短期間に急に変わるものではありません。なにしろCAINZには、アルバイトやパートさんを主戦力とする2万人以上の人たちが働いています。お客様がCAINZのブランドを体感するのは、多くの場合、そういう方たちとの接点。急がず、けれど着実に働く人の意識を変えていくことが大切だと考えています。 
だからこそ、プロダクトブランドのリリースに至るまで、あえてインナーブランディングに1年以上の時間をかけ、プロダクトに込められた「くらしDIY」のメッセージの社内浸透を図ってきました。 
働く環境の向上や改善のために、全店舗の休憩室を社員にDIYしてもらうことで、「くらしDIY」を体感してもらった社内イベントはそのひとつ。定量化は難しいのですが、着実に変わった部分はあると思います。今はお客様向けに公開している「くらしDIY」のストーリービデオも、この浸透期間に社内に向けて発信していたものです。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

CAINZでは、プロミス・ビジョン・3つのコアバリューからなる企業理念をパーパスに相当するものとして運用していますが、重要なのは、これらを額縁の中にしまい込まずに、常に振り返る視点をもって、日常の活動や意思決定にしっかりと反映していくこと。それが経営トップ・経営陣の役割だと思います。油断をすると、たちまちあるべき軌道を外れてしまいそうになる。大きな組織ほどそのリスクは大きいと思います。パーパスは、つくってからがスタート。常にパーパスを意識して考え、行動していく重要性を、日々、実感しています。