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Japan Branding Awards 2025 贈賞式レポート

SILVER:ローソングループ(株式会社ローソン)
コンビニがマチを救う、「幸せ」経営

マチに寄り添う存在として、コンビニはどこまで進化できるのか——、その可能性を広げる挑戦が続いている。「Japan Branding Awards(JBA)」は、優れたブランディングの取り組みを形式知化し、企業が共通軸で学び合う場をつくることを目的とした、日本初のブランディング専門アワードだ。本稿では、顧客の共感獲得に向けた施策をコロナ禍から貫き続けてきたローソンのブランディングに注目する。

マチの幸せを創る
ローソン流「共感」のブランド論 

ローソンはコロナ禍の厳しい状況にあった2020年秋にグループブランディング・プロジェクトを立ち上げ、激戦のコンビニ業界で事業成長と社会的信頼を同時に引き上げる新たなモデルの確立を目指した。グループ理念を「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」と定め、「すべてのお客さまからのレコメンドNo.1」を2025年の達成を目標に、顧客に「新しい便利」を創り届ける事業展開に注力してきた。

今回の審査では、グループ理念の実現が重要テーマとされる中、同社が一貫した施策を5か年にわたり継続することで、多様なステークホルダーを巻き込み、理念を実装してきた点が高く評価された。その核は、全従業員を「みんなの役に立ちたいチャレンジャー」と定義し、理念を「学ぶ・信じる・演じる」という独自のプロセスで行動に落とし込んだ点にある。横浜マラソンでのボランティアや、社員の個性を尊重するイベント「Challengers’ Forum ~COLORS~」など、多層的な関係者の巻き込みが「社会実験」のような厚みを生み、連結事業利益での過去最高益達成という実利にも直結した。
ローソン マーケティング戦略本部 本部長補佐の倉持章氏は、「当グループの約1万人の社員と国内1万4000店舗以上、海外7000店舗の力がブランディング戦略の基に力を結集できた結果です」と喜びを語った。  

ローソン マーケティング戦略本部 本部長補佐 
倉持 章氏 

驚異の認知率96%! 
数字が証明する変革の成果 

表彰会場では、今回のブランディングを象徴する3つの施策を振り返った。1つ目は、ローソングループの存在価値を「みんなの役に立ちたいチャレンジャー」と定義し、その認識共有とロイヤルティ(忠誠心)の向上を目的として、社内外に向けた情報共有サイトを開設。街にハッピーを生み出すプロジェクト「ハピろー!」などの取り組みを発信してきた。この取り組みは、ローソンで働く人に焦点を当てたもので、併せて研修や交流会も実施し、理念・事業・ブランドの三位一体を実現する仕組みを構築した。

2つ目は、関連するリアルイベントとして、社員に向けたトークセッション「Challengers’ Forum ~COLORS~」を毎年開催し続けていることだ。「社員一人ひとりの個性を尊重して、特に会社や社会の役に立つチャレンジをその場で称賛・評価しています」(倉持氏)。3つ目は、2022年から続いている横浜マラソンの給水・給食ボランティア活動だ。2025年は、39km地点の横浜マリンタワー前にある第17給水所を「LAWSON給水所」として、社員、家族など計96名がランナー約2万5000人の給水・給食をサポートした。

これらのブランド向上施策や目標を定期的にレビューし、毎年アップデートしてきた。社内では「お客さまからローソングループがどのように認識されたいか」といったテーマで議論を深め、プロジェクト・メンバーとのワークショップ、経営トップへのインタビュー、1万人規模の消費者調査、社員向けアンケートも実施した。その結果として、当初の目標達成時期とし2025年には、「ブランド・ジャパン2025」においては1000社中の総合3位に入賞し(CVSブランドでは第1位を獲得する)、日経ESGブランド調査では約560社中の21位とブランド評価の高さが対外的にも示されている。同時に社員のグループ理念浸透度は国内で96%と、消費者や社員による認識の向上を達成した。
今後の中長期的な取り組みとしては、高齢化や人口減少といった社会問題の解決を目指して、店舗を拠点に世代を超えて誰もが幸せに暮らせるマチづくり構想「ハッピー・ローソンタウン構想」を2030年までに100店舗実現することを目指している。 

具体例としては、太陽光パネルや蓄電池、衛星携帯通信(Starlink)といった「新しい便利」を備える店舗を2026年夏に大阪府で開店し、災害発生時に地域の支援拠点とする取り組みを発表している。このように環境や防災に配慮した持続的成長が可能な取り組みを重要テーマと位置づけている。 

まとめ

「みんなと暮らすマチを幸せに」を理念に、創業50周年の2025年に“お客さまのレコメンドNo.1”を目指してきた取り組みである。スローガン「みんなの役に立ちたいチャレンジャー」を基に、徹底的・段階的な社内浸透と社外発信により、理念・事業・ブランドの三位一体を実現する仕組みを構築。街にハッピーを生み出すプロジェクト「ハピろー!」で消費者接点を拡充した。2025年には、ブランド認知向上を示す各種アワード受賞により効果が確認された。