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Fujitsu Uvance

富士通が何を目指し、社会にどのような役割を果たすべきかを明確化した上で、トップも一体となりグローバルで社員を巻き込みながら、それを体現する新事業の展開を通じて企業パーセプションの変革を目指したブランディング

課題背景

サステナブルな世界実現やSDGsへの社会の関心が高まり、デジタルテクノロジー進展で競合環境が変化する中で、富士通は社長主導で、富士通の果たしていくべき役割を明確にしたパーパスを策定した。パーパスを起点として、グローバルに拡がる約12万人の社員を巻き込み、どのように既存の事業の延長ではない新たな提供価値を有する事業を策定し、お客様に選ばれるブランドを創っていくかが課題であった。

組織体制

グローバルの社員を巻きこむブランディングを推進するために、ブランドプロジェクトのトップに外国人を据え、人員構成も国内外ダイバーシティに富んだチームとし、グローバルで意思決定していく体制を築いた。社長や各役員とも連携した組織体制の中で事業開発とブランディング、社内エンゲージメントをすすめ、ブランドローンチ後の2022年度始めからはUvance本部を設けて、グローバル体制でのビジネスを具現化する専門部署として機能させている。 

戦略・実行

ブランドの策定段階では、社員を巻きこむ一環として、Fujitsu Uvanceというネーミングをグローバルに社員投票方式で決定した。これまでの富士通にはない全員参加型の企業になる強い意識付けを新ブランド発表前から従業員に対して行った。この事業ブランドを軸に、単なるプロモーションだけでなく、組織文化を変えることや顧客・社会の富士通に対する意識を変えるためのブランド戦略を幅広く実行している。社員のマインドセットを変えていくことに重きをおいており、パーパスの理解に留まらず一人ひとりの人材がプロフェッショナルとしてその実現に向けた意識付けをするために、Fujitsu Uvanceを変革やビジネスモデルの新たな姿の旗印として位置付けている。Fujitsu Uvanceは単に新しいサービスブランドではなく、新たな事業モデルでもあり、かつ将来まで視点を置いたものであるため、実体が掴みづらい側面があるが、例えばExecutive Briefing Centerを通じて顧客経営層とともに社会の姿を描き、目指す改革実現をサポートする活動を進めるなど、具体的な成果をあげつつある。今後は、サステナブルなことに関心が高いZ世代も対象とした施策を視野に入れている。

活動の成果

一連の活動を通じて、顧客からは、富士通がパーパスを軸にグローバル巻き込み型の社内外変革をどのように行ったのかに対して評価や興味を持っていただいている。また、Fujitsu Uvanceのビジネスとしては、帝人やBotanical Water Technologies LTDをはじめ、顧客と社会の課題を解決する取り組みを進めている。ビジネス顧客の他には「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」の理念とFujitsu Uvanceは方向性が一致しており、共にプロジェクトを進めている。
各所に富士通の考え方やFujitsu Uvanceについて共感を拡げて、社会課題の解決に向け一緒にやろうという機運を作っており、今後はビジネス上の成果を残していきたい。

ご担当者様コメント

取り組み当初はグローバルの全社員を巻きこんだブランディングは非常に難しいと思っていたが、多くの苦労を乗り越え1つ1つ実現ができ、「突破力」というマインドチェンジが出来た。時田社長の下、富士通がここ3年で思考、行動ともに大きく変わってきたと担当者も従業員も実感をしている。今後もこの流れを続けていくことが正念場だと思っている。

評価コメント

日本企業に広く見られる課題である、グローバル社員の巻込みと既存の意識からの脱却を短期間に効果的に、ブランディングを軸として行った最良のケースと考えます。
既存の事業の枠組みを超え、社会課題解決や組織変革推進をテーマに掲げると、社員にとって重要性は分かりつつビジネスとして成果がすぐに現れるものではなく、次第に萎縮してしまうことが往々にしてありますが、富士通はスローガンを変えるといったコミュニケーション上のブランディングではなく、Fujitsu Uvanceを旗印に一人ひとりのマインドセットを変えるブランディングを推し進め、事業部と連携したグローバルレベルでの体制を作るなどパーパスを実体化して改革や成長に繋がることに取り組んでいる点を評価しました。導入されて間もないこともあり、今後顧客との連携の成果がさらに増えてくることを期待しています。