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YA-MAN

従来のB2Bビジネスから、B2Cに領域を目指しコーポレート・事業の両輪で活動を行ったリブランディング。社員を積極的に巻き込む形でブランドコンセプト、クレドを策定し、社内に「ヤーマンらしさ」の浸透を行った結果、これまでのブランドイメージの刷新を行った活動

課題背景

ヤーマンは美容機器メーカーとして、独自性・新規性ある技術を強みに、業務用市場にて事業を展開してきた。家庭用美容機器に事業展開する中で、2018年の創業40周年を機にリブランディングに着手。従来の製品軸での戦略のみでは将来的な事業拡大に限界があると考え、顧客に愛されるブランドにならなければならないという危機感を持っていた。また、グローバル市場においても美容機器という新しい美容習慣のデファクトスタンダードを形成できている企業がなく、日本のブランドであるヤーマンだからこそできると、日本発のグローバルブランドを目指す取り組みとした。

組織体制

2018年にワークショップを中心とした社内プロジェクトを立ち上げ、リブランディングが開始された。同時期に設立されたブランド戦略本部が中心となり、社内各部門と対話を続ける中で活動を推進。実行フェーズにおいては、ブランド戦略本部の方針のもと、管理本部、開発本部、営業本部と連携し、複数の部門横断の活動として実行した。

戦略・実行

ブランドコンセプト・クレドの策定プロセスにおいては、社員の納得感を重視し、参加メンバーの意見を汲み取るボトムアップでのアプローチを行った。部門横断で社内プロジェクトを立ち上げ、課題と目指すべき姿を議論し、策定に至った。
ブランドの表現指針に関しては、ロゴを刷新し、スローガンを開発。まず現場で使って貰うと同時に、対話を通じて説明、理解納得を最優先したことから、敢えて詳細なガイドラインではなく簡易的に伝える仕組みで展開を行った。同時に社内への定期的なレクチャーや、営業部門や開発部門等、社内各部門でも自立的に活動を行う体制を構築し、個別プロジェクトを通してブランドの浸透を図った。
ブランド体験は、直営店・百貨店、免税店、家電量販店内ショップインショップなど、「ブランド濃度の高い」コミュニケーションエリアに注力することで、顧客とのタッチポイントを増やした。カテゴリーの性質上、ブランドの信頼性を重視しTVCMを展開。さらに、美容機器は、広告表現だけではわかりにくい製品特性があるため顧客視点やインサイトを元に、ニーズを深掘りし利用シーンを想起してもらえるコンテンツ開発など、顧客の日々に寄り添うブランドとなることを目指した。また、製品に対しての納得感を感じてもらい、顧客体験を質・量ともに広げて継続的な関係を築く新たな事業活動として、2020年に顔専門トレーニングジム『FACELIFTGYM』の展開を開始した。

活動の成果

3カ年のリブランディングの結果、連結売上高が230億円(2018年4月期)から366億円(2021年4月期)と59%伸長し、利益も増加している。これまでカテゴリーとして確立していなかった美容機器市場の創出に成功した(ベストコスメアワードに美容家電部門ができるなど)。社員においては、自社商品の推奨意向が上昇しており、採用面でも大手化粧品メーカーとの併願が増えている。流通との取引においても、アイテムの採用率が上がっており、取引依頼の増加などの効果が実感されている。

ご担当者様コメント

3年間、全社一丸となってリブランディングに取り組んできた。目に見える成果が上がってきているが、これまでの取り組みを第三者に評価してもらうことを考え、新興ブランドの活動にも注目しているJapan Branding Awardsに応募した。
当社はまだ世の中にない「ものづくり」に力を入れている会社であり、引き続き新しい発想の製品をお客さまにお届けしていきたい。美容機器は「美容という習慣に更なるイノベーションをもたらすもの」であると考えており、もっと多くのお客さまに使っていただけることを目指していく。

評価コメント

社員が一丸となってリブランディングに取り組み、目に見える形での事業上の成果を実現している点を高く評価。大企業にはできないアジャイルかつ実践的なアプローチで、3年の短期間で社外からの認知変容を実現し、カテゴリーの進化をもたらした点は特に高く評価できます。プロジェクトの最初から社員を巻き込み、共感を醸成するとともに、実行フェーズにおいてはガイドラインやルールで縛るよりも対話を重視してブランドの浸透を進め、実践的でアウトプット重視のアプローチが、会社のビジネスモデルや企業文化と相まって奏功した好例であると考えます。社外発信においても、メディア戦略やコミュニケーション戦略一つ一つが練り上げられており、戦略的なアプローチを行っている点についても評価しました。