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Daiwa House Group – Japan Branding Awards

グループ全体のビジネス成長を目指し、強い経営体制を構築するために、グループシンボルにブランド価値を蓄積し、統一感を図ることでグループの結束感と、イメージ統一を実現した社内外の浸透活動

課題背景

グループ経営の重要性が求められる中、グループとしての統一感・連帯感が希薄であった大和ハウス工業。また、事業成長を強力に牽引してきた創業者が「創業100周年に売上10兆円」の“夢”を託し2003年2月他界。2005年の創業50周年を契機に、創業者の夢の実現に向けグループ全社員の心をひとつにし、強い経営体制を構築することを目的にブランディング活動を開始した。

組織体制

2004年7月、グループ会社間・部門間の枠を越えたメンバーで構成したコーポレートブランド委員会が発足。現状把握のための社員意識調査からグループシンボル、グループビジョンの開発、2005年4月のシンボル導入までを担う。2005年4月からは正式部門としてコーポレートブランド室が新設され、グループシンボルの正しい運用推進・管理・法的保護などを担う。

戦略・実行

社員の参加意識を向上させるため、グループ約3万人の社員を対象にしたアンケート調査では90%以上が回答。また、1,000名を超えるインタビューや一般消費者による企業イメージ調査も実施、グループのあるべき姿を「人・街・暮らしの価値共創グループ」として定義し、新たなグループシンボル「エンドレスハート」とシンボルステートメント「共に創る。共に生きる。」を策定。各グループ会社に「エンドレスハート」を導入することで、 グループ会社がフラットに並ぶ構成とし連帯感とモチベーションの向上を図った。イントラネットにVIマニュアルを備え、各事業所に「経営ビジョンパネル」を掲示、「ビジョンブック」やムービーを制作し、全国100事業所への勉強会の実施など社内浸透活動を徹底。グループ社員が出演するTVCM、新聞広告を制作することで、グループの一体感を醸成した。「共に創る。共に生きる。」をコンセプトとしたTVCM、新聞雑誌広告をシリーズで展開し、大和ハウスグループの姿勢を継続して表現。また「エンドレスハート」導入に合わせ、全国にある全ての事業所のサインを一斉に改修し『エンドレスハート」の社会的シンボル化への一歩をスタートさせた。

活動の成果

グループシンボル導入以来、連結売上高は2.8倍に拡大。(1兆3659億円: 2005年3月期→3兆7959億円: 2018年3月期)特にグループ会社の著しい成長により、連結売上拡大(連単倍率の変化/1.25: 2005年3月期→2.09: 2018年3月期)。「共創共生シリーズ」のTVCMが経済産業大臣賞を、新聞広告は朝日広告賞、日経広告賞等、主要なコンテストにおいて数多くの賞を受賞。またアニュアルレポートは、世界最大のARCアワード(米国)において7年連続グランドアワード受賞するなど成果をあげている。

ご担当者様コメント

ブランド浸透活動を通して「エンドレスハート」に込められた想いはグループ社員一人ひとりに伝わっており、グループの文化として根付いているレベルとなった。直近では2020年の東京オリンピック開催を機に、「人・街・暮らし」の中での大和ハウスグループの存在感を高めていきたいという思いがあり、中長期的視点では大和ハウスグループの事業の枠組みが変化する中で、「エンドレスハート」をどのような形で社会のシンボルとしていくのかということを検討していきたい。

評価コメント

戦略&体験基盤の構築において、経営トップの会長自身からブランドの考え方を社員に語ることを重視している点を評価します。グループシンボルにブランド価値を蓄積し、各タッチポイントでの統一感を保ち展開することを目的に策定したガイドラインを、時代の変化に応じ進化させ、 適切に管理を行う継続的な取り組みは注目に値します。体験提供において、社会資本となる建造物へグループシンボルを積極的に展開することで、社会的なシンボルとして根付かせる取り組みも効果的で、各種受賞をはじめ、何よりもビジネスで大きな成果を上げている点を高く評価します。