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Ajinomoto

中村 茂雄 様
味の素株式会社
取締役 代表執行役社長

Best Japan Brands 2026
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。達成できたこと、やり残したことなど、お聞かせください。

昨年2月の就任以降、事業・営業・製造・お客様の現場をこの目で見て、対話をし、当社グループの人財、技術、ブランド、顧客、組織といった無形資産の素晴らしさを実感した1年でした。味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を「志(パーパス)」に、社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)を経営の中核に据えています。昨年4月の経営方針説明会では「構想力と実行力の強化」を掲げ、ASV経営のさらなる進化を目指すことを宣言しました。その後、60日プランで経営課題を整理し、役員研修では、事業戦略や経営基盤の強化等と共に、「経営戦略としてのコーポレートブランド強化」をテーマアップし、具体的な方針・戦略を策定しました。このブランディングの面では、従業員によるパーパスの自分ごと化が進み、生活者や顧客からのブランド評価も高まった半面、食品業界の枠を超えた、真にパーパスを体現するユニークな企業であることのグローバルでの認知形成は、まだまだこれからと考えています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください。

例えば、生成AIは、ブランド価値強化の効率的なツールになりうる半面、誤情報やフェイクニュースによるブランド毀損リスクももたらします。食品業界では、健康・安全情報の誤解が致命的であるため、ファクトチェックや炎上予兆検知など、予防型の危機管理体制と、正確な情報をAI回答に反映させる仕組みの構築が不可欠となります。また、気候変動対策は喫緊の課題です。昨年11月のCOP30では、持続可能なアグリフードシステム実現のため農業分野への資金拡大の必要性を提言いたしました。その他、飼料用アミノ酸素材「AjiPro®-L」により、牛の栄養改善と温室効果ガス削減を両立する、当社ならではの取り組みを紹介し、「人・社会」に加え、「地球のWell-being」への貢献姿勢を発信しました。当社のサステナビリティの取り組みが、ステークホルダーとの対話の軸となり、グローバルでの企業評価の鍵を握るようになってくると考えます。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後の中長期スパンでの経営目標や、その達成に向けたブランディングの役割、活動予定等について、お考えをお聞かせください。

2030ロードマップを早期に達成し、その先の成長に向けて、既存事業の強化と新規事業創出を両立させたいと考えます。具体的には、食品×バイオ&ファインケミカルの融合領域の拡大、中長期視点でのポートフォリオ変革、AI活用とデータドリブン経営、人財戦略、企業文化の進化に取り組みます。そのためには、構想力と実行力—私なりの言葉で言いますと「ちゃんと考えて、ちゃんと実行する」こと—が何より重要です。
ブランディングの観点では、安全・安心(食の安全は当たり前、安心は長年の信用によるブランド資産)に加えて、サイエンスベースの技術力で顧客の期待を超えていかなければなりません。誠実さを軸に、創造力と冒険心をもって「人・社会・地球のWell-being」に貢献するという我々の「ありたい姿」を、生活者を含む様々なステークホルダーにしっかりと認知してもらい、共感の輪が広がっていく、そのようなムーブメントを起こしてまいりたいと考えています。