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WORKMAN

林 知幸 様
株式会社ワークマン
営業企画部兼広報部 部長

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

「ダイナミックな変革」が求められる1-2年だったと感じています。WORKMANはコロナ禍の中でも善戦して、ユーザーや外部も巻き込みながら成長してきました。しかし、コロナ禍がひと段落したこの1-2年、為替の影響もあり、業績は増収ではありながらも減益になっています。
ワークマンは作業服からアウトドアへ、そして女子へとブランドパーセプションを拡張させてきましたが、アウトドアブームも一服し、女性からも選ばれるブランドになった今、さらに先の成長を目指すためには、より「ダイナミックな変革」がなければ、続かないことを実感しています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

これまでの延長線上の変化ではなく「ダイナミックな変革」のために、アパレルの常識とは真逆の戦略に挑戦したいと考えています。それが、男性向けの製品強化と、地方重視の出店計画です。私たちはここで、5-10年かけて絶対的なポジションを築くつもりです。それを達成するために、ワークマン女子はWorkman Colorsへ改名することを発表しました。
Workman Colorsで私たちが目指すのは、「普段着」の革新。ワークマン女子で培ってきた「デザイン性」に作業服ブランドだった時代から絶対的な自信を持っていた「機能性」を掛け合わせ、イノベーションを起こしていきます。 とはいえ、イノベーションは自分たちの外にあると考えています。ワークマンの社是は「声のする方に進化する」。投資家も含めていろんな人たちの声を聞き、外部と連携・協力しながら社内に同時多発的に波を起こし、それを大きな波にすることによってブランドを成長させていきたいですね。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

昨年の能登半島地震をはじめ、大きな災害が頻発する日本の社会に「普段着」で貢献することにチャレンジしたいと考えています。
防水・耐久撥水・防寒・発熱をはじめとする圧倒的な機能性は、ワークマンの拠り所です。これらは普段だけでなく、有事や災害時にも貢献できる要素でもあります。具体的なアクションの第一歩として、23年7月に日本赤十字看護大学附属災害救護研究所と連携協定を締結。今年の1月には、過酷な環境下での製品実験結果をもとにした「万能普段着」の開発を見据え、北海道北見市でワークマンの機能性ウェア共同実証を実施したところです。
能登半島地震の際、日赤のある先生から「普段着が命を分ける」という話を聞き、大きな衝撃を受けました。たしかに災害に見舞われたとき、濡れないウエアを着ていることはすごく大事でしょう。避難所での過酷な生活の中でも、機能的な「普段着」が被災者のウェルネスに貢献することは間違いありません。そして、高い機能性を持つ服を普及価格で、かつ全国規模で供給できるのは、ワークマンしかありません。「万能普段着」の開発は、使命として取り組んでいかなければならない課題であると思っています。