We give our clients the confidence to make Iconic Moves

Outside InとFuture Backの 視点でブランドを構築する

シリコン・バレーのコンサルティング会社 THIS Inc.のCEOであるグレッグ・マキューンは、アメリカ、⽇本でベストセラーとなった著書『Essentialism(邦題:エッセンシャル思考)』の中で、数々の賞を受賞しているニューヨーク・タイムズ紙の著名ジャーナリスト・コラムニストであるトーマス・フリードマンと会って、不要なノイズの中から本質を⾒抜く⽅法について話し合った時の話を紹介しています。
「彼はそのとき、ニューヨーク・タイムズ紙に連載しているコラムのためのランチミーティングを終えてきたところだった。ランチの場にいたある⼈は、フリードマンの様⼦を⾒て、どうも上の空なのではないかと訝しんだらしい。だが、彼はしっかり⽿を傾けていた。すべての会話を把握しつつ、本当に興味深い話題を待っていたのだ。いったんおもしろい話題が出てくると、彼は次々に質問し、ストーリーの本質に深く踏み込んでいった。(中略)彼が本当に聞いていたのは、語られる内容ではなかった。語られなかったことに、⽿を傾けていたのだ。」
これからシリーズでご紹介するレポートは、まさにこのことを⽬的としています。つまり、周辺を調査し、”弱い信号”を捉えるのです。

今⽇、企業にとっての⼤きなチャンスや存在する脅威は、「いわゆる”業界”の中⼼にいるいつもの関係者」から来るものではなく、むしろその周辺から発⽣していると考えています。『The End of Competitive Advantage(邦題:競争優位の終焉)』の著者としても知られるコロンビア⼤学ビジネススクールのリタ・マグレイス教授は、Intelの元CEOである、アンディ・グローブが語った「雪は端から溶けていく」という⾔葉を引⽤し、物事の変化(変曲点)は常に周辺部から始まっており、競争相⼿が業界の中にいると思っていると、⼤きな盲点となると警鐘を鳴らしています。
従来、競合とは、同じ種類の製品やサービスを提供している主要な企業と定義されていました。しかし今⽇では、異なるアプローチで顧客ニーズに対応できる全く別のカテゴリーの製品やサービスが競争相⼿となる可能性があります。クレイトン・クリステンセン(『The Innovatorʼs Dilemma(邦題:イノベーションのジレンマ』の著者) が著書『Competing Against Luck(ジョブ理論)』で⾔うところの、顧客の「⽚付けたいジョブ」の視点で競争相⼿を考える必要があり、お⾦や時間といった同じ顧客資源を奪い合うカテゴリーからの競争は既に始まっているのです。これが「SectorからArenaへの移⾏」なのです。

本シリーズでは、インターブランドが世界中のクライアントに対して、業界を超えて、変化の激しいオープンな場で成功するブランド構築を⽀援するための斬新な視点を紹介しています。
インターブランドは、従来のコンサルティング⼿法を覆し、(1)物事を顧客視点で客観的に俯瞰するアウトサイド・イン(outside in)、そして(2)未来のありたい姿から事業やアクションを創出するフューチャー・バック(future back)の視点により、これからのブランド構築を実現しています。
すなわち、従来の業界セクター、カテゴリー、ブランドなど、内側からの想定ではなく、⽣活者の声に⽿を傾け、その基本的なニーズ、要望、やるべき仕事がどのように変化しているかを明らかにすることから始めます。
また、カテゴリーの中⼼で今起こっていることよりも、次に起こるかもしれないことに関⼼があります。私たちは、周辺部に⽬を向け、⼀⾒異なる業界がニーズに対応し、競争⼒のある顧客リソースを獲得するために、どのように競争し、衝突し、収束していくのかを探り、”弱い信号”を探します。
業界の従来のルールブックに従った⾏動に終始することなく、外に出て実際に周辺部を⾒て、未来からバックキャストすることで、⼈々の想像⼒をかきたて、競争状況を⼀変させるような象徴的なアクション(Iconic Move)を通じて、これまでのルールを打破することができるのです。
本レポートでは、⼈間の基本的な欲求である「Play」に注⽬し、⼈々の「遊びたい」という欲求が、さまざまな企業やブランドにどのような変化と機会をもたらしているのかを紹介します。

Manfredi Ricca
Global Chief Strategy Officer
Interbrand

Translated and edited from “Outside In and Future Back”: https://www.interbrand.com/thinking/outside-inand-future-back/